こんにちは、東京ベイハウスの正直です。「とんでも不動産」シリーズ、本日もお客様がご来店です。
本日のお客様:45歳・会社員のおじさん。築15年マンションに5年住んで先日退去。立会いで「壁紙全張替で15万円、ハウスクリーニング8万円、鍵交換3万円、合計26万円です」と言われ、敷金10万円じゃ全然足りない…ということで、ネクタイ曲げながら「ぼったくりだろ!?」と血相を変えてご来店。
原状回復ガイドラインって何ですか?

聞いてくださいよ正直さん!退去で26万円請求されたんですよ!?敷金10万返ってこないどころか、16万追加って…ぼったくりですよね!?

おじさん、落ち着いてください!ネクタイ曲がってます。ぶっちゃけ、その請求の半分以上は払う必要ないかもしれませんよ。

えっ、半分以上!?でも管理会社の人「ガイドラインに沿って計算してます」って言うんですよ。ガイドラインって何ですか?お料理のレシピみたいな?

お料理は出てきません!正式名称は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」、国土交通省が出してる退去時のルールブックです。これを知らないと、おじさんみたいにカモにされます。
原状回復ガイドラインは、国土交通省が公開している賃貸退去時の費用負担を整理した指針です。法律ではありませんが、裁判でも判断基準として使われており、実質的なルールブックとして機能しています。
原状回復の定義(ガイドラインより):「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定められています。つまり「入居時の状態に新品で戻す」ことではありません。
負担割合の基本ルール|誰が何を払うか

新品で戻すんじゃないんですか!?じゃあ何で僕は壁紙全張替の請求が来てるんですか!?

そこなんですよ。ガイドラインは負担を3つに分けてます。「経年劣化」「通常損耗」は大家さん負担、「故意・過失」だけが借主負担。これだけ覚えてください。
負担区分を整理すると次の3つに分かれます。
| 区分 | 具体例 | 負担者 |
|---|---|---|
| 経年劣化 | 壁紙の日焼け、畳の自然変色、設備の老朽化 | 大家負担 |
| 通常損耗 | 家具を置いた床の凹み、テレビ裏の電気焼け、画びょうの穴 | 大家負担 |
| 故意・過失/通常を超える使用 | タバコのヤニ、ペットのキズ、結露放置のカビ、落書き、引越時の傷 | 借主負担 |

えっ、画びょうの穴も大家負担なんですか!?僕てっきり穴開けたら全部弁償だと…!

そうなんです!画びょうやピンの穴は通常使用の範囲内。ただし、ネジやクギで壁の下地ボードまで貫通させたら借主負担です。線引きを覚えておくと安心ですよ。
壁紙の負担割合|住んだ年数で減っていく
仮にタバコのヤニで壁紙の張替が必要になった場合でも、全額を借主が払うわけではありません。ガイドラインでは「壁紙(クロス)の耐用年数は6年」とされており、住んだ年数に応じて借主負担分が減っていきます。
| 居住年数 | 壁紙の借主負担割合(目安) | 10万円の張替工事なら |
|---|---|---|
| 1年 | 約83% | 約83,000円 |
| 3年 | 約50% | 約50,000円 |
| 5年 | 約17% | 約17,000円 |
| 6年以上 | 1円(残存価値1円) | 1円 |
※ガイドラインに基づく目安。借主負担となる毀損があった場合の計算です。経年劣化・通常損耗のみであれば借主負担は0円。

1円!?6年以上住むと1円!?じゃあ僕の壁紙、築15年マンションで5年住んでたから、もう価値ほぼゼロじゃないですか!

そうです!しかも前の入居者がついた汚れもあるはずなので、おじさんの入居前にすでに耐用年数が進んでます。15万円の壁紙全張替は明らかにおかしい。同業者に怒られますけど、これは交渉案件です。
これは借主負担になる「やらかし」あるある

逆に「これはアウト」っていうのを教えてくださいよ。次の部屋で同じ失敗したくないんで。

退去現場で「これは…」と頭抱える6つのパターン、ぶっちゃけます。
- タバコのヤニ汚れ・ニオイ:部屋全体の壁紙張替が借主負担になります。年数経過で減額はされますが、6年経たないうちはガッツリ請求
- ペットのキズ・ニオイ:ペット可物件でも「通常を超える損耗」は借主負担。柱のひっかき傷、フローリングのオシッコ染みなど
- 結露の放置によるカビ:結露が出るのは通常損耗ですが、拭かずにカビを発生させたら借主の管理責任
- 引越時の家具の傷:搬入搬出で壁・床にぶつけた傷は故意・過失。養生して運ぶのが基本
- 子供の落書き:クレヨンやマジックの落書きは100%借主負担
- キッチンの油汚れ放置:日常清掃を怠った結果のベタつき・焦げ付きは借主負担

あ、僕タバコ吸わないですけど、料理は毎日するんですよ。換気扇とかコンロ周りの油汚れ、放置してた気が…!

退去前に自分でガッツリ掃除しておけば、ハウスクリーニング費以上の請求は避けられますよ。中性洗剤とメラミンスポンジで、半日かけて磨くだけで請求額が数万円変わります。
退去立会いで損しない7つのチェックポイント
退去立会いは、その場でサインした内容で後日請求が確定するため、最も気をつけたい局面です。以下の7点を押さえてください。
- 立会いには必ず本人が同席する:管理会社任せにすると確認のないまま「全張替」と書かれる
- 入居時の写真と見比べる:もともとあった傷を借主負担にされないよう、入居直後に撮った写真を持参
- 「経年劣化ですよね?」と声に出して確認する:相手のペースで進められないために、項目ごとに確認
- その場で金額が出る書類にサインしない:「持ち帰って確認します」と伝える権利があります
- 負担割合の根拠を求める:「居住年数で何%減価になりますか?」と聞く
- 修繕の見積書を要求する:「一式」表記の見積りは内訳開示を求める
- 合意できない項目は「保留」と書いてもらう:サインの前に明記

その場でサインしないって言っていいんですか!?管理会社の人に怒られそう…。

言っていいんです!むしろ言わないと損します。立会いはこちらが「お客様」じゃなくて「契約相手」。怒られても大丈夫、相手は商売ですから引き下がります。

僕、もうサインしちゃったんですけど…手遅れですか?

手遅れじゃありません!サインしてしまっても、ガイドラインに照らして明らかに不当な請求であれば、減額交渉や少額訴訟という手があります。まずは国民生活センターに相談を。
よくある質問
Q. ハウスクリーニング代は必ず借主負担ですか?
原則は大家負担ですが、契約書に「退去時クリーニング代は借主負担」という特約があれば借主負担です。ただし金額の妥当性は別問題で、ワンルームで5〜6万円、1LDKで7〜8万円が相場の目安。極端に高い場合は内訳の開示を求めましょう。
Q. 鍵交換費用は誰が払いますか?
ガイドラインでは「次の入居者の安全のための交換は大家負担」が原則。ただし契約書の特約で借主負担になっているケースが多く、入居時に1.5〜2万円を払うのが一般的です。退去時の追加請求はおかしい場合が多いので確認を。
Q. 「最低6か月分の家賃を支払う」と契約書にあるんですが?
その特約は「賃借人に一方的に不利な特約」として無効になる可能性があります。消費者契約法10条で争えるケースが多いので、納得できなければ専門家に相談を。
Q. 入居時の写真は何を撮っておけばいいですか?
各部屋の四隅・床・壁の傷・窓枠・水回り・既存設備の状態を、日付入りで撮影。スマホで100枚以上撮っても容量を圧迫しません。クラウドに保存しておけば退去まで安心です。
Q. 退去費用でモメたら、まずどこに相談すれば?
消費者ホットライン「188」が最初の窓口。地域の消費生活センターにつながります。少額訴訟(60万円以下)を視野に入れるなら、弁護士費用無料の法テラスも利用可能。
まとめ|退去立会いは「持ち帰る勇気」が9割
- 原状回復は「新品に戻す」のではなく、故意・過失の毀損だけが借主負担
- 経年劣化・通常損耗は大家負担。壁紙は6年で残存価値1円
- タバコ・ペット・カビ放置・落書きは借主負担の「やらかしトップ5」
- 立会い当日はその場でサインせず「持ち帰って確認」を口癖に
- サイン後でも納得いかなければ消費者ホットライン188へ

退去費用でモメるって、人生で何度もあるイベントじゃないからこそ知らないと損するんですよね。ガイドラインを知ってるだけで数万円〜十数万円変わってきます。次の引越しの時は、ぜひ「持ち帰って確認します」を口癖にしてください!

正直さん、ありがとうございます!今から管理会社に「ガイドラインの負担割合を出してください」って電話してみます。ネクタイ直してから行きますわ。







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