今回は「賃貸契約の更新時における家賃値上げ問題」についてお話しします。
というのも、最近こんな相談を受けました↓↓
今住んでいる家の更新時期を迎え、オーナーから「更新の際に値上げをします」との通知書が送られてきたのですが、同意をしないといけないのでしょうか?
賃貸物件に住んでいると、契約の更新時に「家賃を値上げします」と通知されることもあるかもしれません。
急に言われても困りますが、応じなかったら退去させられるかも……と不安になりますよね。
今回は「家賃の値上げ通知は拒否できるのか」というテーマで解説していきますね。
知らないと家賃の値上げに応じるしかなく、損してしまう可能性もありますので、ぜひ最後までお読みください!
家賃の値上げは違法ではない
まず前提として、家賃の値上げは違法ではありません。
多くの人が「入居後の家賃は変わらない」と思いがちですが、実際はそうではないのです。
なぜなら、借地借家法で定められた条件を満たせば、大家さんには家賃を上げる権利があるからです。
とはいえ、借主の生活を守るために、大家さんの利益増加だけを目的とした値上げは法律上認められていません。
例えば、以下のような理由や事情があるときのみ、家賃を値上げすることができます。
家賃の値上げへの対応3つ
家賃の値上げを大家さんから提案されたら、どうしたらよいか具体的に教えてください!
承知しました!3つの対策を解説していきますね!
家賃の値上げ通知が来たら、どのように対応すべきか困ってしまいますよね。
ここでは、3つの段階別に家賃の値上げへの対応を解説していきます。
値上げに応じる必要はない
結論から言えば、家賃の値上げに同意する必要はありません。
先ほど説明したように法律で家賃の値上げは認められていますが、値上げをするためには両者(大家さんと借りている人)の合意がなければ成立しないからです。
大家さんからの一方的な要求だけでは、値上げはできないということですね!
つまり、大家さんから「値上げします」と通知があっても、借主の権利は法律で保護されているため拒否できます。
ただし、値上げの通知を無視するという対応は望ましくありません。
大家さんにも値上げをする相応の理由があるはずです。値上げ通告を受けたら、きちんと向き合い、適切に対処しましょう。
値上げには応じる必要はないものの、理由などはしっかり確認しておきましょう。
値上げを拒否しても契約の更新はできる!
値上げを拒否したら、契約更新されないのではと心配です。
結論から言えば、値上げ交渉が決裂しても、強制的に退去させられることはありませんので安心してください。
たとえ家主が更新を拒否したとしても、「法定更新」という制度によって借主の居住権は保護されるからです。
法定更新は、借主を守るための仕組みです。
具体的には、一般的な賃貸契約の場合にその契約期間の満了後、大家さん側に正当な理由がなく更新を拒否されたときには、借主はそのまま住み続けられるというものです。
この法定更新によって借主は不法居住者とはならず、安心して住み続けることができます。
法廷更新は、借主の居住権を守る強力な制度といえるでしょう。
家賃は供託制度を利用して必ず支払う
交渉がうまくいかない場合でも、今まで支払っていた分の家賃は必ず支払うようにしましょう。
家賃を滞納してしまうと契約解除の可能性があるからですね。
でも、大家さんが値上げを拒否したことに怒って、今までの金額では家賃を受け取らないと言われてしまったらどうしたらよいですか?
そんなときは、家賃の供託という方法を利用してください!
家賃の供託とは、法務局に家賃を預ける制度です。
これにより、借主側は家賃を払う義務を果たしている証明になりますので、債務不履行を理由に退去を命じられることはありません。
まとめ:家賃の値上げには必ず応じなくてもOK
まず、家賃の値上げは必ず応じなくても問題ありません。
ただし、従前どおりの家賃は必ず支払うようにしましょう。
そして、従前どおりの家賃の受け取りを拒否されてしまった場合には、法務局の供託という制度を利用してくださいね。
とはいえ、家賃の協議がうまくいかないときは、引越すという選択肢も検討してみることをおすすめします。
もし、お部屋をお探しの場合は、当店をぜひご利用くださいね!
営業時間:9:30~18:00
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